【リハスタッフ向け】肝障害や肝炎に対するリハビリと注意点

りはスタ運営局
本サイトではアフィリエイト広告を利用しています

○○性肝障害とか肝炎ってどんな病気?○○性肝障害とか肝炎に対するリハビリで気をつけることはある?

そんな疑問をお持ちの方に向けた記事です。

この記事を読めば、

  • ○○性肝障害や肝炎の「原因」「症状」「治療」について
  • 〇〇性肝障害や肝炎に対するリハビリと注意点について

が分かります。

※この記事は医療従事者向け(特にリハビリスタッフ向け)に書いた記事ですので、ご了承ください。

肝障害や肝炎の種類

肝障害にはいくつかの種類があります。

以下に代表的なものを挙げます。

  1. ウイルス性肝炎:ウイルス感染による肝臓の炎症です。急性と慢性の形があり、B型肝炎やC型肝炎が代表的です。
  2. アルコール性肝障害:過度のアルコール摂取によって引き起こされる肝障害です。脂肪肝や肝硬変などが含まれます。
  3. 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):アルコール以外の原因で脂肪肝になるケースです。肥満や過剰な栄養摂取が原因となります。
  4. 自己免疫性肝疾患:免疫系が正常な肝細胞を攻撃することで発症します。自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)などがあります。
  5. 薬物性肝障害:薬剤の副作用によって肝臓が障害されることがあります。

これらの肝障害は、それぞれ異なる原因や症状を持ち、適切な診断と治療が必要です。

肝障害や肝炎の症状

以下にそれぞれの肝障害や肝炎による主な症状をまとめました。

ウイルス性肝炎

  • 急性肝炎:倦怠感、食欲不振、筋肉痛、発熱、喉の痛み、頭痛、吐き気、腹痛、発疹、黄疸など。
  • 慢性肝炎:倦怠感、疲労感、食欲低下など。

アルコール性肝障害

  • 脂肪肝:自覚症状はほとんどありませんが、疲労感、肩こり、頭がぼんやりするなどの体調不良を感じる場合があります。
  • 肝硬変:腹水、黄疸、かゆみ、膨満感、むくみ、出血しやすいなどの症状。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

  • 倦怠感、疲労感、右上腹部の不快感など。

自己免疫性肝炎

  • 自己免疫性肝炎:倦怠感、黄疸など。
  • 原発性胆汁性胆管炎:かゆみ、黄疸。

薬剤性肝障害

  • 倦怠感、食欲不振、黄疸、腹痛など。

肝障害と肝炎の違い

肝障害は肝臓の機能低下を指し、肝炎は肝臓の炎症を指します。

どちらも肝臓に影響を与える病気ですが、原因や症状、治療法が異なります。

肝障害や肝炎の治療

以下にそれぞれの肝障害や肝炎の治療法をまとめました。

ウイルス性肝炎

  • B型肝炎:抗ウイルス薬(インターフェロンや核酸アナログ製剤)を使用します。これによりウイルスの増殖を抑制します。
  • C型肝炎:インターフェロンフリーの治療薬(直接作用型抗ウイルス剤)を使用します。これにより多くの患者が治癒可能です。

アルコール性肝障害

  • 脂肪肝:禁酒と栄養管理が基本です。適度な運動も推奨されます。
  • 肝硬変:禁酒、栄養管理、薬物療法(利尿薬やアルブミン製剤)を行います。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

  • 生活習慣の改善(食事の見直し、運動)と体重管理が重要です。場合によっては薬物療法も行われます。

自己免疫性肝疾患

  • 自己免疫性肝炎:免疫抑制剤(ステロイドやアザチオプリン)を使用します。
  • 原発性胆汁性胆管炎:ウルソデオキシコール酸を使用し、胆汁の流れを改善します。

薬剤性肝障害

  • 原因となる薬剤の中止と、肝臓の保護を目的とした治療(ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤)を行います。

肝障害や肝炎に対するリハビリと注意点

肝障害や肝炎に対するリハビリの方法と注意点をまとめました。

有酸素運動

  • ウォーキング、サイクリング、スイミングなどが推奨されます。
  • 1日30分、週3回以上行うことが理想です。

筋力トレーニング

  • 軽い負荷の筋力トレーニングが推奨されます。
  • 椅子に座って行う運動や、軽いダンベルを使った運動が適しています。

リハビリ時の注意点

リハビリの際は、肝機能に関連する採血データに注意します。

肝障害で上昇する数値は以下のものがあります。

肝障害で上昇する数値
  1. AST(GOT):肝細胞が破壊されると血液中に漏れ出し、値が上昇します。
  2. ALT(GPT):主に肝臓内に存在し、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ出し、値が上昇します。
  3. γ-GTP(γ-GT):肝臓や胆管に多く存在し、肝細胞や胆汁うっ滞、胆管細胞が破壊されると血液中に流れ出し、値が上昇します。
  4. LDH(ラクテイト・デヒドロゲナーゼ):肝細胞が破壊されると血液中に漏れ出し、値が上昇します。
  5. ビリルビン:肝臓で代謝される物質で、肝機能が低下すると血液中にたまり、値が上昇します。

逆に、肝障害で低下する数値は以下のものがあります。

肝障害で低下する数値
  1. アルブミン:肝臓で作られるタンパク質で、肝機能が低下すると値が低下します。
  2. 総タンパク(TP):肝臓で作られるタンパク質の総量で、肝機能が低下すると値が低下します。
  3. コレステロール:肝臓で合成されるため、肝機能が低下すると値が低下します。
  4. プロトロンビン時間(PT):血液を凝固させるタンパク質の生成が肝臓で行われるため、肝機能が低下すると凝固能が低下し、PTが延長します。

とくに、リハビリには「栄養面」がたいせつです。

Alb(アルブミン)などが低下するので、負荷をかける筋トレには注意が必要です。

肝障害や肝炎のリハビリまとめ

  • 肝障害や肝炎は原因によって病名に違いがある
  • 治療法も違いがある
  • リハビリをする際は「採血データ」に注意する
ABOUT ME
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
記事URLをコピーしました