心不全のリハビリの中止基準3選【息切れ・呼吸苦・心拍数】
この記事は、医療従事者向けの記事になっています。
心不全の患者さんに対するリハビリの中止基準ってなにがある?どんな症状が出たら運動を中止にすべき?
そんな疑問をお持ちの方に向けた記事です。
この記事を読めば、
「心不全のリハビリの中止基準」
が分かります。
分かりやすく3つに絞りました。
結論から言うと、心不全のリハビリの中止基準は、
- 息切れ
- 呼吸苦
- 心拍数
の3つです。
一つずつ解説します。
リハ職の転職サイトの“求人数”ランキングトップ10-りはスタ
心不全のリハビリの中止基準3選【息切れ・呼吸苦・心拍数】
結論から言うと、心不全のリハビリの中止基準は、
- 息切れ
- 呼吸苦
- 心拍数
の3つです。
リハビリ中止基準①「息切れの有無」
心不全に対するリハビリの中止基準1つ目は「息切れ」です。
息切れの目安は「呼吸数30回/分」です。
動いて酸素需要が増えれば、息切れしてきます。
もし心臓が元気なら、心拍出量や心拍数が増えるので、息切れしません。
「でも。肺が悪い人も息切れするのでは?」と思われるかもしれません。
当然、肺に疾患があれば息切れします。
肺疾患でも心不全でも「息切れ」の有無は、運動中止の1番の目安になります。
呼吸リハビリの評価項目10選【一番大事なのは実は呼吸数】 – りはスタ
リハビリ中止基準②「呼吸苦の有無」
心不全に対するリハビリの中止基準の2つ目は「呼吸苦の有無」です。
当然、borgスケールでも良いです。
borgスケールで「13(ややきつい)以下」が適切な運動強度です。
borgスケール13(ややきつい)以上の運動は過負荷です。
「ややきつい」よりも強いなら、運動を中止しましょう。
「少しくらい我慢した方がリハビリになるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、心臓という臓器は筋肉と違って「鍛える」ことはできません。
ムリをさせ過ぎると、逆に心不全が悪化します。
なので、適切な負荷(borgスケール13以下)での運動がベストです。
リハビリ中止基準③「心拍数」
「心拍数」もリハビリ中止基準の一つです。
あと「β(ベータ)ブロッカー」などの、心拍数を下げるお薬を服用していないかを確認しましょう。
β(ベータ)ブロッカーを使っている場合は、運動をしても心拍数が大きく上昇しない場合もあるので、「息切れ(borgスケール)」や「疲労感」で運動強度を決めましょう。
よく、「心拍数」を決定するとき、カルボーネンの式が出てきます。
しかし、カルボーネンの式を用いると、心拍数はとても高く設定されてしまいます。
私は、心不全のある方には、カルボーネンの式を用いることはほぼゼロです。
一応、計算サイトもあるので、心不全がない方に心拍数で運動負荷を決定する場合などには、使ってみてください。
目標心拍数の計算 – 高精度計算サイト (casio.jp)
まとめ
- 心不全に対するリハビリでの中止基準は「息切れ」「呼吸苦」「心拍数」でみる
- 息切れは30回/分以上
- 呼吸苦はborg13以上
- 心拍数は安静時+10~20bpm
上記3つを目安にして、他の数値にも注意しながらリハビリ負荷を考えましょう。
心不全に対するリハビリについて、もっと詳しく注意点を知りたい方は「心不全に対するリハビリの注意点【評価項目10選】」の記事を参考にしてみてください。
リハ職の転職サイトの“求人数”ランキングトップ10-りはスタ