【リハスタッフ向け】急性腎障害に対するリハビリと注意点
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急性腎障害ってどんな病気?急性腎障害に対するリハビリで気をつけることはある?
そんな疑問をお持ちの方に向けた記事です。
この記事を読めば、
が分かります。
※この記事は医療従事者向け(特にリハビリスタッフ向け)に書いた記事ですので、ご了承ください。
目次
急性腎障害の原因
急性腎障害(AKI)の原因は多岐にわたりますが、主に以下の3つのカテゴリーに分類されます
- 腎前性原因: 腎臓への血流が不足することが主な原因です。脱水症状、心不全、大手術などが典型的な要因です。
- 腎性原因: 腎臓自体が損傷を受けることによるものです。薬剤や毒素、感染症、腎臓の血管の問題がこのタイプに該当します。例えば、抗生物質や鎮痛剤の一部は腎機能に悪影響を及ぼすことがあります。
- 腎後性原因: 尿の排出が妨げられることによるものです。尿管結石や前立腺肥大などがこのカテゴリに入ります。
急性腎障害(AKI)を引き起こす病気や状態は多岐にわたります。以下にいくつかの代表的なものを挙げます。
- 敗血症: 血液中に細菌が広がり、全身に炎症を引き起こす状態です。これにより腎臓への血流が減少し、急性腎障害を引き起こすことがあります。
- 心不全: 心臓が十分な血液を送り出せなくなる状態で、腎臓への血流が不足し、急性腎障害を引き起こすことがあります。
- 薬剤性腎障害: 一部の薬剤(抗生物質、鎮痛剤、造影剤など)が腎臓にダメージを与えることがあります。
- 脱水症状: 体内の水分が不足することで、腎臓への血流が減少し、急性腎障害を引き起こすことがあります。
- 尿路閉塞: 尿管結石や前立腺肥大などにより尿の流れが妨げられることで、急性腎障害が発生することがあります。
また「横紋筋融解症」も急性腎障害(AKI)の原因の一つです。
横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が破壊され、その内容物が血液中に流れ出る状態を指します。
この状態が進行すると、ミオグロビンなどの筋細胞成分が腎臓に負担をかけ、急性腎障害を引き起こすことがあります。
急性腎障害の症状
急性腎障害(AKI)の症状は多岐にわたりますが、主なものをいくつか挙げます
- 乏尿: 尿量が一日に400ml以下になる状態です。
- 全身のむくみ: 特に足首や目の周りに現れることが多いです。
- 息苦しさ: 肺うっ血や肺水腫が原因で呼吸が困難になることがあります。
- 疲労感や倦怠感: 全身のだるさや疲れやすさが感じられます。
- 意識障害: 尿毒症が進行すると、意識障害やけいれんが起こることがあります。
これらの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です
急性腎障害と急性腎不全の違い
急性腎障害(AKI)と急性腎不全(ARF)は、どちらも腎臓の機能が急激に低下する状態を指しますが、微妙な違いがあります。
急性腎障害(AKI):
- 広義の概念で、腎機能の急激な低下を指します。
- 軽度から重度までの範囲があり、早期に発見され治療されると回復の可能性が高いです。
- 血液検査でクレアチニン値の上昇や尿量の減少が見られます。
急性腎不全(ARF):
- 急性腎障害の中でも、特に重度の状態を指します。
- 腎機能がほとんどまたは完全に停止し、透析が必要になることが多いです。
- 症状が進行すると、尿毒症や電解質異常が発生し、生命に危険を及ぼすことがあります。
つまり、急性腎障害は広範な概念であり、その中に急性腎不全という重篤な状態が含まれると考えると分かりやすいです。
急性腎障害の治療
急性腎障害(AKI)の治療は、原因や重症度によって異なりますが、主な治療法をいくつかご紹介します
原因の特定と治療
- 腎前性原因: 血液循環を改善するために、点滴や輸血を行います。また、利尿薬を使用することもあります。
- 腎性原因: 原因となる病気(例えば腎炎や腎梗塞)の治療を行います。腎臓の負担を軽減するために、食事療法や薬物療法を併用します。
- 腎後性原因: 尿路の閉塞を解除するために、手術やカテーテルを使用します。
食事療法
- 低タンパク質、低塩分、低カリウムの食事を心がけます。これにより、腎臓の負担を軽減します
薬物療法
- 利尿薬、降圧薬、カリウム吸着薬などを使用して、腎機能をサポートします
人工透析
- 重症例では、透析が必要になることがあります。透析は、腎臓が正常に機能しない場合に、血液を浄化するための治療法です。
血液浄化療法
- 急性腎障害が重篤な場合、急性血液浄化療法が行われることがあります。これは、透析装置を使用して血液を浄化し、腎機能の回復を待つ治療法です。
これらの治療法は、患者さんの状態や原因に応じて組み合わせて行われます。
急性腎障害に対するリハビリと注意点
有酸素運動
- ウォーキング、サイクリング、水泳などの軽い運動を行います。
- 1回につき20-60分、週3-5日程度が推奨されています。
レジスタンス運動
- スクワットや筋力トレーニングなど、筋肉に抵抗をかける運動を行います。
- 1セットで15回程行える負荷で、各種目1セット、週2-3日の頻度から始めることが推奨されています。
ストレッチ
- 柔軟体操を行い、身体の柔軟性を高めます。
- 週2-3日で行うのが望ましいです。
急性腎障害のまとめ
- 急性腎障害(AKI)を引き起こす原因には「敗血症」「心不全」「薬剤性腎障害」「脱水症」「横紋筋融解症」などがある
- 急性腎障害に対するリハビリとしては「有酸素運動」や「レジスタンス運動」、「ストレッチ」が有効
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