理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき項目【10選】

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心不全や心リハのカンファレンスに参加する予定なんだけど、理学療法士としてはどんな事を伝えるといいんだろう?

そんな疑問をお持ちの方に向けた記事です。

この記事を読めば、

「理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき10項目」

が分かります。

この記事を書いている私は、総合病院に勤務して15年目の理学療法士で、心リハ指導士を取得しており、心不全チームの一員として10年の経験を持ちます。

そんな私が、これまでの経験や文献を読んで学んだことをもとに、この記事を書きました。

結論から言うと、

理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき項目は、

理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき項目
  • 患者さんの歩行能力
  • 患者さんのADLレベル
  • 患者さんの運動耐容能
  • 患者さんへの運動処方の内容
  • サルコペニアやフレイルの有無
  • サルコペニアやフレイルの予防方法
  • 患者さんの心不全の自己管理能力の有無
  • 患者さんへの教育内容
  • 患者さんの心理面の状態
  • 患者さんへの社会的支援の有無

の10項目です。

一つずつ解説していきます。

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理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき項目【10選】

理学療法士が心不全カンファレンスで伝えるべき項目は、

りがくりょう心不全カンファレンスで伝えるべき項目
  • 患者さんの歩行能力
  • 患者さんのADLレベル
  • 患者さんの運動耐容能
  • 患者さんへの運動処方の内容
  • サルコペニアやフレイルの有無
  • サルコペニアやフレイルの予防方法
  • 患者さんの心不全の自己管理能力の有無
  • 患者さんへの教育内容
  • 患者さんの心理面の状態
  • 患者さんへの社会的支援の有無

の10項目です。

参考にした文献:多職種心不全チームの発足と介入の実際/藤井利江/jstage

患者さんの歩行能力

一番たいせつなのは「患者さんの移動能力」です。

移動能力は、ADLやiADLなどに直結するからです。

近年,複合疾患の保有,重症化,身体予備能の低下といった高齢心不全患者が増加しており 5)6),移動能力の回復に難渋する可能性が高い。

また,入院中の移動能力は,退院時 ADL へ影響を及ぼすことが報告されており 6‒8),心不全患者における移動能力低下の特徴を明ら
かにする臨床的意義は大きい。

患者さんのADLレベル

患者さんのADLレベルは、生活が送れるのかどうかに繋がります。

心不全患者さんであろうと、どんな患者さんであれ同一です。

また、心不全患者さんのADLは予後にも影響するため、重要な評価項目です。

厚生労働省が収集管理する DPC データから心不全患者の予後予測因子を AI で抽出した報告でも、退院時のバーセルインデックスが年齢をはるかに上回り予後予測因子のトップであった。

患者さんの運動耐容能

運動耐容能は心不全患者さんの心機能や予後の重要な指標です。

  • 100m歩いた後のバイタル
  • 6分間歩行の距離や実施後のバイタル
  • CPX(心肺運動負荷試験)の結果(酸素摂取量やワット数)

など。

CPXの結果は、看護師や栄養士には分かりづらいので、

「拭き掃除ができるくらいの活動」とか「○○mくらいを歩くのがやっと」など、具体的な動作をまじえて説明すると分かりやすいと思います。

「具体的な動作」に関しては、国立健康・栄養研究所が出してくれているMETs表を参考にしてみてください。

「身体活動メッツ(METs)表」/国立健康・栄養研究所

患者さんへの運動処方の内容

運動処方の内容としては、運動強度や時間、頻度、種類、進行法などを具体的に示します。

運動療法は、心不全患者さんの運動耐容能、生活の質、予後を改善させる治療介入として有効です。

サルコペニアやフレイルの有無

サルコペニアやフレイルは心不全患者さんに多く見られる合併症で、運動耐容能や予後に悪影響を及ぼします。

サルコペニアやフレイルの有無は、筋力や歩行速度、体重や栄養状態などを測定して判断します。

サルコペニアやフレイルの予防方法

予防・管理方法の提案としては、適切な運動や栄養摂取、転倒予防などを行います。

サルコペニアやフレイルの予防・管理は、心不全患者さんの機能低下や入退院のリスクを減らします。

患者さんの心不全の自己管理能力の有無

心不全に関する知識や自己管理能力は心不全患者さんの病態コントロールや予後に重要です。

知識や自己管理能力の評価方法としては、心不全知識テストや自己管理行動チェックリストなどがあります。

患者さんへの教育内容

教育内容としては、心不全の原因や症状、治療法や予後、自己観察や体重測定、食事や水分制限、服薬や運動の方法などを説明します。

心不全に関する知識や自己管理能力の向上は、心不全患者さんの再入院や死亡のリスクを低下させます。

患者さんの心理面の状態

心理的状態は心不全患者さんのQOLや予後に影響します。

心理的状態やの評価方法としては、不安やうつのスクリーニングや社会的支援の質問紙などがあります。

患者さんへの社会的支援の有無

患者さんへの社会的支援の有無と、必要な介入の提案としては、心理的な負担や孤立感を軽減するために、カウンセリングやグループセラピー、自助グループやボランティア活動などを行います。

心会的支援の改善は、心不全患者さんのコンプライアンスや自己効力感を高めます。

【補足】具体的な対策や提案を伝えることが大切

カンファレンスで話をするときは「具体的に」述べるようにしましょう。

抽象的な提案は結びつかないからです。

例えば、

「家に他人が入るのが嫌で、訪問看護サービスは受け入れたくないようなので、デイサービスなどの通う系のサービスを提案します」

などのように、具体的な理由や対策を述べられると良いです。

まとめ

心不全カンファレンスで理学療法士が伝えるべき項目は、

1.患者さんの運動耐容能
2.患者さんへの運動処方の内容
3.ADL(日常生活動作)
4.介助レベルや介助方法
5.サルコペニアやフレイルの有無
6.サルコペニアやフレイルの予防・管理方法
7.患者さんの心不全に関する知識や自己管理能力の有無
8.患者さんへの教育内容
9.患者さんの心理的状態や社会的支援の有無
10.患者さんの心理的状態や社会的支援の介入の提案

の10項目です。

具体的かつ簡潔にまとめてからカンファレンスに臨みましょう。

ABOUT ME
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
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