心臓リハビリ指導士の取得【5つのメリット、3つのデメリット】
わたしは心臓リハビリテーション指導士(略して心リハ指導士)を取得して5~6年が経ちました。
心リハ指導士を取得することへの、メリット・デメリットをご紹介します。
心リハ指導士の取得を迷っている方の参考になればと思います。
ただし、心リハ指導士を取得できる環境にある方なら、取得した方が良いとは思いますが、結局は心リハ指導士取得後も勉強し続けることが大切だと感じています。
心リハ指導士を取得するメリット【5つ】
まずは、心リハ指導士を取得することのメリットを5つご紹介します。
あくまで、個人的に思うことを書いているまでです。
心疾患や心リハの知識が向上する
心リハ指導士を取得するメリット1つ目は、「心疾患や心リハの知識が向上すること」です。
心リハ指導士を受験するために、10症例のレポートを書かないといけません。
症例レポートを書くためには、治療の内容や薬剤に関して、理解する必要があります。
また、試験に合格するためにも、結構勉強が必要です。
普段の臨床時から勉強をすることは必要です。
ただ、忙しい日常の中で、気合いを入れて勉強することってなかなか難しいです。
症例レポートの提出や心リハ指導士試験には、期日(期限)があります。
人間は期限がないとサボります。
なので、心リハ指導士を取得するために勉強することは、心疾患や心リハの知識の向上にかなり繋がります。
自身のスキルアップに繋がる
心リハ指導士を取得するメリットの2つ目は、「自身のスキルアップになること」です。
心リハ指導士は、理学療法士の中で4%の人しか持っていない資格です。
なので、他の理学療法士との差を付ける事に繋がります。
認定理学療法士を取得するのも大切です。
ただ、心リハ指導士の方が、医師・看護師・臨床検査技師など、他の職種にも共通した資格です。
そのため、他の職種や他の病院(施設)でも、認識されやすいです。
病院や施設など、雇う側からしたら、ただの理学療法士よりも、色々な資格を持っていて知識の豊富な理学療法士を雇う方が良いです。
理学療法士として、生き残っていくためには、他の人との差別化やスキルアップは必要になってきます。
周囲から一目置かれるかも
心リハ指導士を取得するメリットの3つ目に、「周囲から一目置かれる」という点。
自分が、後輩や部下の立場だったとき、専門的な知識を持ったスタッフに教えてもらおうと思うのが普通です。
また、先輩や上司の立場、また他の職種のスタッフであったとしても、知識がない人よりも専門知識を持った人に確認しようとするのが当然です。
その「意見を求められる」という事は、面倒なようにも思います。
しかし自分の職場に置いて、色々と意見を述べられるという事は、自分の働きやすい状況に進めていけるという事にも繋がります。
また、知識のある人が教育・治療をする方が、患者さんにとってもメリットになります。
病院・施設の評価が高まる
心リハ指導士を取得するメリットの4つ目は「病院・施設の評価が高まる」という点です。
資格を有している人を雇っているという事は、病院や施設にとってのメリットとしては大きいです。
ホームページを持っている病院や施設では、雇用しているスタッフを紹介するページを設けて、「専門○○資格者が〇名」という記載をする事ができます。
自分が患者側の立場だったとき、専門的な知識を持ったスタッフがいる病院の方が、安心ですし、良い治療が受けられると感じますよね。
そのため、心リハ指導士の資格を取得することは、病院・施設の評価が高まることに繋がるのです。
また評価が高くなり、病院や施設の収益が増えれば、自身の給料にも反映されることが期待できるでしょう。
特別手当がつく場合がある
心リハ指導士を取得するメリットの5つ目は「特別手当がつく場合がある」という点です。
(私の職場では特別手当がつきませんが・・・)
場所によっては、特別手当がもらえる場合があります。
専門的資格を持つことを強く推奨している職場では、資格所有者に対して報酬を設けている施設もあります。
そのため、心リハ指導士を取得することで、自身のスキルアップのみならず、給料が上がるという可能性もあります。
また、先程の項でもお伝えしたように、専門的な知識を持ったスタッフが多くいる病院は人気が高まり、収益が増大します。
収益が増えれば、当然ながら自身の給料アップにも繋がるというメリットも、忘れないで下さい。
心リハ指導士を取得するデメリット【3つ】
心リハ指導士を取得すること自体は、メリットしかありません。
ただし、心リハ指導士を取得するためには、いくつかの大変さを乗り越えなければいけません。
そのため、ここでは「デメリット」として3つ紹介します。
受験までの手続きが面倒
心リハ指導士を取得するまでには、色々と手続きをしなければいけません。
心リハ指導士を取得するまでの流れは「心臓リハビリ指導士|症例レポートの書き方、試験勉強のコツ紹介 」の記事を参考にしてください。
心リハ指導士の取得までには、心リハ学会に入会し、10症例のレポートを書き、そして最後に試験を受ける必要があります。
レポートも試験も面倒ですが、そもそもの書類作成もまた面倒です。
そして、心リハ指導士に申請しようとしても、学会に2年以上入会していないと資格がもらえないのもまたネックではあります。
レポート作成と試験勉強が大変
心リハ指導士を取得するためには、10症例のレポートと試験に合格する必要があります。
レポートは、1症例あたりA4用紙に1枚で作成します。
実際に関わった症例で、心疾患の中でも色々な疾患や症例を含める必要があります。
レポートは、試験勉強にも繋がるので、丁寧に作成すべきです。
心リハ指導士の試験も、コメディカルの我々には割と難しいです。
日頃の業務に加えて試験勉強をしないといけないので、休日も返上で頑張る必要があります。
とはいえ、こうした大変さを乗り切れば、自身のスキルアップや周囲との差別化に繋がるので、頑張りましょう。
難易度の高い資格だからこそ、心臓リハビリのスペシャリストとしてその分野に長けた知識とスキルを持ち合わせていることは、自身のスキルアップはもちろんのこと、今後のキャリアを形成していくうえでも非常に有利となることは間違いありません。
学会の年会費や受験料がかかる
心リハ指導士を受験するには、2年以上の学会入会期間が必要です。
毎年8,000円の年会費が必要です。
また受験のために、受講料が10,000円、レポート審査料15,000円が必要です。
こうした費用は、よっぽど自己負担です。
学会参加費を負担してくれる病院や施設もありますが、流石に年会費や試験料は払ってくれません。
ただ、心リハ指導士の取得は自身の資格・強みになるので、このくらいの負担は支払っても損ではないです。
心リハ指導士を取得しなくてもいいけど、心リハ学会には入っておくと良い
心リハ指導士を取得するかしないかは、正直「どちらでも良い」のですが、心リハ学会には入会しておきましょう。
なぜなら、会員限定の文献が読めるようになるからです。
希望すれば雑誌が郵送で届きますし、ペーパーレスを希望すれば、心リハ学会のホームページで閲覧できます。
(私は、郵送を選んでいます。理由は、届かないと読まないからです。)
心リハ指導士を取ろうと取ろまいと、結局は勉強することが大切なので、学会に入会して学会誌を読みましょう。
まぁでも、同じ職場に心リハ学会に入会している方が居て、学会誌を回し読みできるなら、入会も不要かもしれません。
ただ、IDとパスワードを共有することはモラルに反するので、やめましょう。
心リハ指導士取得のメリット・デメリットまとめ
心リハ指導士取得に関する、メリット・デメリットをご紹介しました。
デメリットは、お金や労力です。
しかし、それを上回るだけのメリットがあります。
これからは、理学療法士が増えて、自分のスキルアップやアピールポイントを身に付けないと、生き残ってはいけません。
心リハ指導士を取得できる環境にある方は、心リハ指導士資格を取っておくべきだし、少しでも若いうちに自分を磨いておくべきです。