理学療法士の残業は多い?実態と理由、残業代、減らす方法を徹底解説

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「理学療法士って、やっぱり残業が多いのかな…?」
「毎日残業続きで疲れた…どうすれば減らせるんだろう?」
「サービス残業になっていないか心配…」

理学療法士として働いている方、これから目指す方にとって、「残業」の実態は非常に気になる問題です。やりがいのある仕事である一方、時間外労働の多さに悩む声も少なくありません。

この記事では、理学療法士の残業の実態について、その平均時間多くなる理由、気になる残業代の問題、そして残業を減らすための具体的な方法残業が少ない職場の特徴まで、詳しく解説していきます。

ご自身の働き方を見つめ直し、より良いワークライフバランスを実現するための参考にしてください。

目次
  1. 理学療法士の残業の実態 – 平均時間は?多いって本当?
    1. データから見る平均残業時間(目安)
    2. 「多い」と感じる人がいる理由
    3. 職場による残業時間の大きな差
  2. なぜ?理学療法士の残業が多くなる主な理由
    1. 圧倒的な書類業務の多さ
    2. カンファレンスや会議の時間
    3. 自己研鑽・勉強会の時間(時間外が多い)
    4. 人手不足と業務量の多さ
    5. 患者さん・家族への対応(時間外になることも)
    6. 算定単位数へのプレッシャー(時間内に終わらない)
    7. 職場文化や風土(「残業するのが当たり前」)
  3. 残業代はちゃんと出る?サービス残業の実態と対処法
    1. サービス残業が発生しやすい背景
    2. 残業代請求の基本(労働基準法)
    3. 未払い残業代への対処法
  4. 残業が少ない職場・働き方の特徴とは?
    1. 残業が少ない傾向にある職場
    2. 人員配置が適切な職場
    3. 業務効率化が進んでいる職場
    4. 非常勤・パートタイマーという働き方
  5. 残業を減らすためにできること【個人編・職場編】
    1. 【個人編】業務効率化の工夫(タイムマネジメント、ツール活用)
    2. 【個人編】スキルアップによる業務時間短縮
    3. 【個人編】「断る勇気」を持つ
    4. 【職場編】業務分担の見直し・効率化の提案
    5. 【職場編】上司への相談・労働環境改善の働きかけ
    6. 【最終手段】残業の少ない職場への転職
  6. 残業が多いことによるデメリットと注意点
    1. 心身の健康への影響
    2. プライベートへの影響
    3. 仕事の質への影響
  7. まとめ:残業の実態を理解し、自分らしい働き方を目指そう

理学療法士の残業の実態 – 平均時間は?多いって本当?

まず、理学療法士の残業の実態について見ていきましょう。

データから見る平均残業時間(目安)

公的な統計データで「理学療法士のみ」の正確な平均残業時間を把握するのは難しいですが、理学療法士を含む「医療、福祉」分野や、関連する職種のデータを見ると、月間の平均残業時間は10時間~20時間程度がひとつの目安と言えるかもしれません。

しかし、これはあくまで平均値です。実際には、ほとんど残業がない職場から、月40時間、50時間を超える残業が常態化している職場まで、大きなばらつきがあるのが実情です。

「多い」と感じる人がいる理由

平均値だけ見ると「それほど多くないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、多くの理学療法士が「残業が多い」と感じる背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 特定の職場・時期に集中: 忙しい病院や施設、繁忙期などでは、平均を大きく上回る残業が発生する。
  • サービス残業の存在: 記録上は残業時間が少なくても、実際にはサービス残業をしているケースがある。
  • 自己研鑽時間を含めてしまう: 業務後の勉強会や自主的な学習時間を「残業」と捉えてしまう。
  • 定時で終わる業務ではないという認識: そもそも定時内に業務が終わらない構造になっていると感じている。

職場による残業時間の大きな差

残業時間は、勤務する施設形態(病院、クリニック、老健、訪問など)、診療科(急性期、回復期、維持期など)、地域、そして何より個々の職場の方針や人員体制によって大きく異なります。

  • 急性期病院: 緊急対応やカンファレンスなどで残業が多くなりやすい傾向。
  • 回復期病院: 計画的なリハビリが多いが、書類業務やカンファレンスで残業が発生しやすい。
  • クリニック (外来中心): 診療時間が決まっているため、比較的残業は少ない傾向。
  • 老健・介護施設: 書類業務や多職種連携、会議などで残業が発生しやすい。
  • 訪問リハビリ: 移動時間や記録時間、利用者都合による時間変更などで残業が発生する場合がある。

一概に「この分野だから残業が多い/少ない」とは言えず、個別の職場環境を見極めることが重要です。

なぜ?理学療法士の残業が多くなる主な理由

では、具体的にどのような理由で理学療法士の残業は発生するのでしょうか。主な原因を見ていきましょう。

圧倒的な書類業務の多さ

これが最大の原因の一つと言っても過言ではありません。

  • リハビリテーション実施計画書: 新規作成、定期的な更新が必要。
  • 各種報告書: モニタリング報告、カンファレンス報告、退院時サマリーなど。
  • 日々のカルテ記録: 行ったリハビリ内容、患者さんの状態変化などを詳細に記録。
  • その他: アセスメントシート、情報提供書など、施設によって様々な書類が存在。

これらの書類作成を、リハビリ業務の合間や終了後に行うため、必然的に時間外労働が発生しやすくなります。

カンファレンスや会議の時間

多職種連携が重要な理学療法士にとって、会議は不可欠ですが、これも残業の原因となりがちです。

  • リハビリテーションカンファレンス
  • サービス担当者会議
  • チームカンファレンス
  • 部署ミーティング
  • 各種委員会活動

これらの会議が、就業時間内に行われず、時間外に設定されるケースも少なくありません。

自己研鑽・勉強会の時間(時間外が多い)

スキルアップのための勉強会や研修も、多くの場合、業務時間外に行われます。

  • 院内勉強会・伝達講習: 業務終了後に開催されることが多い。
  • 外部研修・学会参加: 休日に参加することも多いが、準備や報告などで時間外労働が発生することも。
  • 自主的な学習: 最新知識の習得や症例検討など、自己研鑽のための時間確保。

これらは厳密には「労働時間」とみなされない場合もありますが、実質的に時間を拘束されるため、負担感につながります。

人手不足と業務量の多さ

慢性的な人手不足の職場では、一人あたりの業務量が過大になり、時間内に終わらせることが困難になります。

  • 担当患者数の多さ: 一日に多くの患者さんを担当しなければならない。
  • 兼務業務: リハビリ以外の業務(委員会、係の仕事など)を兼務している。
  • 欠員補充がされない: 退職者が出てもすぐに補充されず、残ったスタッフでカバーする。

患者さん・家族への対応(時間外になることも)

  • 予定外の対応: 患者さんの状態変化への対応や、急な相談など。
  • 家族面談: 家族の都合に合わせて、業務時間外に面談を設定することもある。

算定単位数へのプレッシャー(時間内に終わらない)

施設によっては、一日にこなすべきリハビリの単位数(ノルマ)が設定されている場合があります。単位数をこなすことに追われ、記録などの付随業務が後回しになり、結果的に残業につながることがあります。

職場文化や風土(「残業するのが当たり前」)

  • 「先輩が帰るまで帰りにくい」雰囲気
  • 残業を評価するような風潮
  • 効率化への意識が低い

このような職場文化が、残業を助長しているケースも見られます。

残業代はちゃんと出る?サービス残業の実態と対処法

残業時間そのものも問題ですが、「サービス残業(賃金が支払われない残業)」になっていないかも重要なポイントです。

サービス残業が発生しやすい背景

  • 記録に残らない残業: タイムカード打刻後の書類作成、自宅への持ち帰り残業など。
  • 「自己研鑽」扱いの強制: 本来業務命令であるはずの勉強会などが、自主参加扱いになっている。
  • 申請しづらい雰囲気: 残業申請をすると評価が下がる、上司が承認してくれないなどの理由で申請できない。
  • 管理職の認識不足: 労働時間管理が適切に行われていない。

残業代請求の基本(労働基準法)

労働基準法では、法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて労働させた場合、企業は割増賃金(残業代)を支払う義務があります。これは理学療法士も同様です。

未払い残業代への対処法

もしサービス残業を強いられていると感じたら、泣き寝入りせずに行動を起こしましょう。

  • 証拠を集める:
    • タイムカード、業務日報、PCのログ、メールの送受信履歴など、客観的な労働時間の証拠を記録・保存する。
    • 手書きのメモでも、日々の始業・終業時間、業務内容を具体的に記録しておく。
  • 相談する:
    • 信頼できる上司や人事部: まずは直属の上司や人事に相談してみる。
    • 労働組合: 職場に労働組合があれば相談する。
    • 労働基準監督署: 匿名での相談も可能。指導・勧告を行ってくれる場合がある。
    • 弁護士: 法的な手続きを検討する場合、労働問題に強い弁護士に相談する。

残業が少ない職場・働き方の特徴とは?

できるだけ残業を避けたい場合、どのような職場や働き方を選べば良いのでしょうか。

残業が少ない傾向にある職場

  • クリニック (外来中心): 診療時間が明確で、入院患者がいないため、比較的定時で帰りやすい。
  • デイケア・デイサービス: 営業時間が決まっており、利用者さんが帰宅すれば業務が終了しやすい。
  • 一部の病院・施設: 経営が安定し、人員配置に余裕があり、業務効率化が進んでいる。
  • 行政・保健所・教育機関: デスクワーク中心で、比較的労働時間管理がしっかりしている場合が多い。

ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個別の職場環境による差が大きいことを念頭に置いてください。

人員配置が適切な職場

十分な数の理学療法士が配置されており、一人あたりの業務負担が適正な職場は、残業が少ない傾向にあります。

業務効率化が進んでいる職場

  • 電子カルテや記録システムの導入: 書類作成時間を短縮できる。
  • 情報共有ツールの活用: カンファレンスや連携を効率化できる。
  • 業務分担の明確化: リハビリ助手や事務スタッフとの連携がうまくいっている。

非常勤・パートタイマーという働き方

働く時間や曜日を限定できるため、残業は基本的に発生しにくい働き方です。ただし、収入や福利厚生面でのデメリットも考慮する必要があります。

残業を減らすためにできること【個人編・職場編】

残業を減らすためには、個人の努力と職場全体の取り組みの両方が必要です。

【個人編】業務効率化の工夫(タイムマネジメント、ツール活用)

  • タスク管理: ToDoリストを作成し、優先順位をつけて取り組む。
  • 時間管理: 業務ごとに目安時間を設定し、時間内に終わらせる意識を持つ。
  • 書類テンプレート活用: 定型的な書類はテンプレート化し、入力時間を短縮する。
  • PCスキル向上: タイピング速度を上げる、ショートカットキーを覚えるなど。

【個人編】スキルアップによる業務時間短縮

  • 知識・技術の向上: 評価や治療にかかる時間を短縮できる。
  • 経験を積む: 業務に慣れることで、効率が上がる。

【個人編】「断る勇気」を持つ

  • キャパシティを超える業務: 自分の業務量を把握し、無理な依頼は断る、または相談する。
  • 不要な会議や業務: 目的が不明確なもの、参加する必要性が低いものには、参加を見送ることも検討する。

【職場編】業務分担の見直し・効率化の提案

  • リハビリ助手や事務職との連携強化: 書類整理や準備などを依頼する。
  • 情報共有方法の改善: ICTツールなどを活用し、会議時間を短縮する。
  • 書類フォーマットの見直し: より簡潔で効率的なフォーマットを提案する。

【職場編】上司への相談・労働環境改善の働きかけ

  • 現状の共有: 自分の残業時間や業務負担について、客観的なデータを示して上司に相談する。
  • 改善策の提案: 具体的な改善策を考え、提案する。
  • 労働組合への相談: 職場全体の問題として、労働組合に相談する。

【最終手段】残業の少ない職場への転職

様々な努力をしても状況が改善しない、心身の限界を感じる、という場合は、残業の少ない職場への転職も有効な選択肢です。転職活動の際は、残業時間の実態や職場の雰囲気について、面接や見学でしっかりと確認しましょう。転職エージェントを活用するのも良い方法です。

残業が多いことによるデメリットと注意点

長時間労働は、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

心身の健康への影響

  • 慢性的な疲労: 休息が十分に取れず、疲労が蓄積する。
  • ストレス増加: 精神的な負担が増え、うつ病などのリスクが高まる。
  • バーンアウト(燃え尽き症候群): 仕事への意欲や関心を失ってしまう。
  • 睡眠不足: 集中力低下や体調不良につながる。

プライベートへの影響

  • 自己研鑽の時間が取れない: スキルアップの機会を失う。
  • 家族や友人との時間が減る: 人間関係に影響が出る。
  • 趣味やリフレッシュの時間が取れない: ストレス解消ができなくなる。

仕事の質への影響

  • 集中力・注意力の低下: ミスや事故のリスクが高まる。
  • 判断力の低下: 適切な評価や治療計画ができなくなる。
  • 患者さんへの対応悪化: 余裕がなくなり、丁寧な対応ができなくなる。

まとめ:残業の実態を理解し、自分らしい働き方を目指そう

理学療法士の残業は、書類業務の多さや人手不足、会議の時間など、様々な要因によって発生します。職場によってその実態は大きく異なりますが、「サービス残業」を含め、多くの人が悩みを抱えているのが現状です。

残業を減らすためには、個人の業務効率化の努力はもちろん、職場全体での業務改善や、場合によっては労働環境そのものを変える(転職)ことも必要になります。

長時間労働は心身の健康を損ない、仕事の質をも低下させかねません。ご自身の状況を客観的に把握し、この記事で紹介した情報を参考に、無理なく、やりがいを持って働き続けられる、あなたらしいワークライフバランスの実現を目指してください。

ABOUT ME
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
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