脱水症とは?脱水の種類や利尿剤服用時について【備忘録】

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「脱水」とは、体内の水分が不足している状態を指します。

脱水にはいくつかの種類があり、体内のナトリウム(Na)の濃度に影響を与えることがあります。

脱水症の種類

  1. 水欠乏性脱水: これは水分が不足している状態で、体内のナトリウム濃度が相対的に高くなります。例えば、大量の汗をかいたり、水分摂取が不足した場合に起こります。
  2. ナトリウム欠乏性脱水: これは水分と一緒にナトリウムも失われる状態で、体内のナトリウム濃度が低くなります。例えば、激しい運動や高温下での作業で大量の汗をかいた場合、水分だけを補給するとナトリウム欠乏性脱水が起こります。
  3. 混合性脱水: これは水分とナトリウムの両方が減少する状態です。最も一般的な脱水の形態です。

脱水の種類によって、体内のナトリウム濃度が上がる場合もあれば、下がる場合もあります。

脱水症のときの血液検査データ

脱水症の診断には、いくつかの血液検査項目が重要です。

以下に、脱水症の際に変化する主な血液データをまとめました。

  1. 尿素窒素(BUN): 脱水時にはBUNの値が上昇します。基準値は年齢によって異なりますが、一般的に20 mg/dLを超えると脱水の可能性が高まります。
  2. クレアチニン(Cre): 腎機能の指標であり、脱水時には値が上昇します。
  3. ナトリウム(Na): 脱水の種類によって変動します。高張性脱水ではNaが上昇し、低張性脱水ではNaが低下します。
  4. アルブミン(Alb): 血液中のタンパク質の一部であり、脱水時には濃縮されて値が上昇します。
  5. 総蛋白(TP): 血液中の全タンパク質量であり、脱水時には値が上昇します。
  6. ヘモグロビン(Hb): 脱水時には濃縮されて値が上昇します。
  7. ヘマトクリット(HCT): 血液中の赤血球の割合であり、脱水時には値が上昇します。

血液検査がすべて出たら、注目していくのは

BUN

Na

TP・Alb

Hb

それぞれ順番にみていきます

利尿剤による脱水症について

利尿剤を使用している人が陥りやすい脱水のタイプは、主に「水欠乏性脱水」です。

利尿剤は体内の水分を尿として排出するため、体内の水分が不足しやすくなります。

これにより、体内のナトリウム濃度が相対的に高くなることがあります。

利尿剤の種類によっても影響が異なります。例えば:

  1. ループ利尿薬: 強力な利尿作用があり、ナトリウムやカリウムの排出を促進します。これにより、低カリウム血症や代謝性アルカローシスが起こりやすくなります。
  2. サイアザイド系利尿薬: ナトリウムの再吸収を抑制し、尿中にナトリウムを排出します。これにより、低ナトリウム血症が起こりやすくなります。
  3. カリウム保持性利尿薬: ナトリウムの排出を促進しながら、カリウムの排出を抑制します。これにより、高カリウム血症が起こりやすくなります。

利尿剤の種類と一般名

利尿薬の種類ごとに商品名と一般名をまとめました。

ループ利尿薬

  • フロセミド(商品名:ラシックス)
  • トラセミド(商品名:ルプラック)
  • アゾセミド(商品名:ダイアート)

サイアザイド系利尿薬

  • トリクロルメチアジド(商品名:フルイトラン)
  • ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド)
  • インダパミド(商品名:ナトリックス)

カリウム保持性利尿薬

  • スピロノラクトン(商品名:アルダクトン)
  • カンレノ酸カリウム(商品名:ソルダクトン)
  • エプレレノン(商品名:セララ)
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りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
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