心臓リハビリ指導士|症例レポートの書き方、試験勉強のコツ紹介

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「心臓リハビリ指導士ってどうやったら取れるの?」
「症例レポートの書き方が知りたい」
「試験勉強のコツも知りたい」

そんな方に向けた記事です。

私は2015年に心臓リハビリテーション指導士を取得しました。

また、その後も他のスタッフ(理学療法士や看護師など)のレポート記載の手伝いなども続けています。

この記事では、

  • 心臓リハビリ指導士の取得までのザックリした流れ
  • 症例レポートの書き方のコツ
  • 試験勉強のコツ

についてご紹介します。

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心臓リハビリテーション指導士とは

心臓リハビリを専門に診るスタッフが取得すべき資格です。

  • 医師
  • 看護師
  • 理学療法士
  • 臨床検査技師
  • 健康運動指導士

などの資格所有者が、スキルアップも兼ねて取得しています。

理学療法士の心リハ指導士取得率は「4%」です。

心リハ指導士を取得すれば、他の理学療法士との「差別化」が図れるかなとは思います。

関連記事:心臓リハビリ指導士の取得【5つのメリット、3つのデメリット】|りはスタ

今後、理学療法士が増え、同業種の中で生き残っていくためにも、取得しておいても損はないかもしれません。

心臓リハビリテーション指導士の取得までの流れ

心臓リハビリテーション指導士の取得までの流れをザックリお伝えします。

心臓リハビリテーション指導士の取得までの流れ
  1. 心臓リハビリテーション学会」に入会する
  2. 受験する年の4月に「受験申請書」を提出する
  3. 受験申請書と同時に「心臓関連の症例のレポート(A4枚)」を10症例提出する
  4. 症例レポートに合格したら「2日間の講習」を受ける5.2日間の講習の後に「心リハ指導士の試験」を受ける

という感じです。

要注意なのが、「心リハ指導士の受験申請」までの間に「2年以上の心リハ学会の在籍が必要」という点です。

なので、心臓リハビリテーション指導士を取得したい場合、まずは心臓リハビリテーション学会に入会しなければいけません。

心臓リハビリテーション学会|入会案内

心リハ学会に入会して2年後に、ようやく申請資格が得られます。

それと「10名分の経験症例レポート」は、結構大変です。

4月に申請書を提出すると決めたなら、3~6か月間くらいかけて、少しずつレポートを書きましょう。

私は、2週間くらい前に期限に気付いたので、何度か徹夜して作成しました。

みなさんは、そのような事のないように、余裕をもって作成を始めましょう。

症例レポートの書き方

ポイント

心リハ指導士の取得のための「10症例のレポート」は、↓のリンクの「症例報告の記載例」を参考にしましょう。

心臓リハビリテーション指導士試験について – JACR日本心臓リハビリテーション学会

私は、自分の受験以降も、後輩や他職種へのアドバイスを行ってきました。

なので、少しだけですが、コツをお伝えします。

10症例には「色々な疾患」を入れた方がよいです。

(私も、私がアドバイスした他の人も、レポートで落ちた経験はありません)

以下に10症例の例をご紹介します。

症例レポートの10症例の例
  1. 急性心筋梗塞後のPCI治療後のリハビリで順調だった症例
  2. 急性心筋梗塞後のPCI治療後のリハビリで、患者のアドヒアランスやコンプライアンスが悪くて苦労した症例
  3. 急性心筋梗塞が重度で、バルーンパンピング(IABP)も導入した症例
  4. 急性心筋梗塞後の緊急のバイパス(CABG)術後のリハビリ
  5. 急性大動脈解離StanfordA型の手術後のリハビリ
  6. 急性大動脈解離StanfordB型の保存療法後のリハビリ
  7. 大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術(AVR)後のリハビリ
  8. 僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁置換術(MVR)後のリハビリ
  9. 慢性心不全の増悪の症例
  10. 慢性心不全の症例で、かつフレイルティ(虚弱)やサルコペニアも合併していた症例

こんな感じです。

多少疾患が被っても大丈夫ですが、極力「色々な症例」を持ってくるのが良いです。

ただ、勤務先が総合病院でない方や、いろんな疾患を経験しにくい場合は、一時的に研修施設へ出張することもアリです。

こういう「他施設への研修」って、看護師の「認定看護資格」を取得する場合も結構やってますよね。

【悲報】心臓リハビリテーション指導士を取得しても給料は上がらない

私の職場では心臓リハビリテーション指導士を取得したとしても、給料には反映されていません。

というのも、理学療法士という免許があって、リハビリを提供した場合、

心リハ指導士を持っていようがいまいが、請求できる算定料は変わらないから

です。

国から、病院(または施設)に特別な保険点数加算がある訳ではないので、我々のお給料にも反映されないという事です。

まあでも、最初に述べた通り「個人のスキルアップ」にはなりますし、同じ理学療法士の中での差別化を図って、生き残っていくためには、持っていた方が良いと考えています。

医師や看護師は食いっぱぐれはありませんが、理学療法士や健康運動指導士だけでは、今後は厳しい時代がくると思いますので。

心臓リハビリテーション指導士の試験の合格率【職種別】

心リハ指導士の試験は割と難しいです。

理学療法士の心リハ指導士の合格率は、毎年70%くらいです。

 合格不合格合格率(%)
医師152398.1%
看護師555749.1%
理学療法士45116273.6%

やはり医師の合格率は高いですね。

医師であれば、当然の知識レベルなのでしょう。

医師の不合格者は、マークシートのズレなど、ケアレスミスが原因だという噂です。

私は理学療法士なので、特に苦労したのは「薬の名前」と「デバイス(ペースメーカとか)関連」でした。

「運動処方」の分野に関しては「心肺運動負荷試験(CPX)」の業務にも携わっていたので、問題なかったです。看護師さんは、CPX関連の問題に苦戦されていました。

心臓リハビリテーション指導士の試験勉強のコツ

心臓リハビリテーション指導士の試験勉強のコツは、過去問と心臓リハビリテーション必携を読む、という事だけです。

過去問は、学会誌に2〜3問ずつ載っています。

心臓リハビリテーションの学会誌

学会誌の閲覧パスワード等は、学会に入会した後に発行されます。

わたしは、以下の方法で勉強しました。

  1. まず心臓リハビリテーション必携をザーッと最後まで読む
  2. 過去問を解く
  3. 過去問に出ていた所の周囲の心臓リハビリテーション必携を読む

です。

あと、結局一番わかりやすいのは「病気がみえるシリーズ」です。

医学書の中では安いですし、臨床でも使えるので、買っておいて損はないです。

この記事を読んでくださっている方は、私と同じ理学療法士(リハビリスタッフ)の方も多いかなと思いますが、やはり「薬剤関連」は苦手なのではないでしょうか。

「薬剤名」や「効果」、「副作用」は、心リハ指導士試験でも、また臨床においても大事です。

なので私は、自分で「語呂合わせ」を作って覚えました。

薬に関しては、バイエル薬品さんのホームページが分かりやすいです。

バイエルファーマナビ|基礎から学べる循環器疾患講座|ARB(一覧)

また最近ではYou Tubeを利用するのも手です。

心不全の新しい治療薬たち「Fantastic Four(ファンタスティックフォー)」に関しては、薬剤師さんの動画が非常に分かりやすいです。

あと、以前は試験前の講習会で「ここテストに出るかもしれませんよー」みたいに教えてくれましたが、ここ最近(2、3年くらい)は、そこまで教えてくれなくなってしまったみたいです。

自己学習あるのみですね。

【補足】絶対一発で合格するんだという強い意志を持つべし

最後に補足なのですが、一番重要なのは「絶対一発で合格するんだ」と心に決めることです。

要は「マインドセット」ですね。

「絶対一発で合格するんだ」と心に決めれば、スキマ時間も勉強しようと行動します。

逆に、ちゃんとマインドセットできていないと、時間があってもなくても、勉強しません。

心臓リハビリテーション指導士の試験は、症例レポートが合格した場合、その年と次の年の「2回」受験資格がもらえます。

過去、私の周りの人達でも「一応2回は試験受けられるからね」などと、のんきな事を言っていた人は、ことごとく不合格でした。

なので、まずは「絶対に一発で合格するんだ」と、マインドセットが非常に重要。

まとめ

  • 心臓リハビリテーション指導士は「医師」「看護師」「理学療法士」などが取れる資格
  • 心臓リハビリテーション指導士を取得するには「10症例のレポート作成」「講習会への参加」「試験」が必要
  • 心臓リハビリテーション指導士の試験勉強のコツは「過去問を解くこと」と「絶対一発で合格するんだ」というマインドセットが重要

心臓リハビリテーション指導士を取得しても給料は上がりませんが、他のスタッフとの差別化は図れます。

自分のスキルアップにもなり、転職などにおいても有利に働くので、取得する意義はあります。

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りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者:ぱぱひさ
りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
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