【リハスタッフ向け】甲状腺機能亢進症に対するリハビリと注意点

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甲状腺機能亢進症ってどんな病気?甲状腺機能亢進症に対するリハビリで気をつけることはある?

そんな疑問をお持ちの方に向けた記事です。

この記事を読めば、

  • 甲状腺機能亢進症の「原因」「症状」「治療」について
  • 甲状腺機能亢進症に対するリハビリと注意点について

が分かります。

※この記事は医療従事者向け(特にリハビリスタッフ向け)に書いた記事ですので、ご了承ください。

甲状腺機能亢進症の原因

甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を活性化する役割を持っています。

甲状腺機能亢進症の主な原因は以下の通りです。

  1. バセドウ病: 免疫系の異常により、甲状腺が過剰に刺激されることで発症します。これは最も一般的な原因です。
  2. 甲状腺腫瘍: 甲状腺に腫瘍ができることで、ホルモンの分泌が過剰になることがあります。
  3. 甲状腺炎: 甲状腺の炎症が原因で、一時的にホルモンの分泌が増加することがあります。
  4. ヨウ素の過剰摂取: ヨウ素を過剰に摂取することで、甲状腺ホルモンの分泌が増加することがあります。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の症状を挙げます。

  1. 心拍数の増加: 心臓が速く鼓動し、動悸を感じることがあります。
  2. 体重減少: 食欲が増しても体重が減少することがあります。
  3. 発汗: 異常に汗をかくことがあります。
  4. 手の震え: 手や指が震えることがあります。
  5. 疲労感: 常に疲れを感じることがあります。
  6. 不安感: 不安やイライラを感じることがあります。
  7. 下痢: 消化器系の問題が発生することがあります。
  8. 月経不順: 女性の場合、月経周期が乱れることがあります。

甲状腺機能亢進症の治療

甲状腺機能亢進症の治療方法は、症状の重さや原因によって異なります。

  1. 薬物療法: 甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬(抗甲状腺薬)を使用します。これにより、症状を緩和し、ホルモンのバランスを整えます。
  2. 放射性ヨウ素療法: 放射性ヨウ素を服用することで、甲状腺細胞を破壊し、ホルモンの分泌を抑える方法です。これは非侵襲的な治療法で、多くの患者に効果的です。
  3. 手術: 甲状腺の一部または全体を摘出する手術が行われることがあります。特に、薬物療法や放射性ヨウ素療法が効果を示さない場合に選択されます。
  4. 生活習慣の改善: ストレス管理やバランスの取れた食事、適度な運動など、生活習慣の改善も重要です。

甲状腺機能亢進症に対するリハビリと注意点

甲状腺機能亢進症に対するリハビリと注意点についてお伝えします。

リハビリのポイント

  1. 軽度の有酸素運動: ウォーキングや軽いジョギング、水中歩行などが適しています。心拍数を穏やかに保つことが重要です。
  2. ストレッチと柔軟体操: 筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高めるために、ゆっくりとした動作でストレッチを行います。ヨガもおすすめですが、高温多湿の環境で行うホットヨガは避けてください。
  3. 軽度の筋力トレーニング: 自重を使った運動(腕立て伏せ、スクワット、腹筋運動など)から始め、徐々に軽いダンベルやチューブを使用することができます。

注意点

  1. 医師との相談: 運動を始める前に必ず医師に相談し、甲状腺機能の状態を確認しましょう。
  2. 心拍数の管理: 運動中の心拍数をモニタリングし、過度に上がらないように注意します。
  3. 体温調節と水分補給: 運動中の体温調節と適切な水分補給に注意が必要です。
  4. 無理をしない: 体調に合わせて無理のない範囲で運動を行い、異常を感じたらすぐに中止し、医師に相談してください。

これらのポイントを守りながら、リハビリを進めていくことが大切です。

特に、既往に心不全がある患者さんは、心拍数増加が心臓の負担となり、心不全を増悪させる可能性もあるので、運動中や運動の前後での心拍数の大きな増加を避けるよう注意が必要です。

甲状腺機能亢進症のまとめ

  1. 甲状腺機能亢進症の概要: 甲状腺が過剰にホルモンを分泌することで、心拍数の増加、体重減少、発汗、手の震えなどの症状が現れる疾患です。
  2. 原因: 主な原因はバセドウ病、甲状腺腫瘍、甲状腺炎、ヨウ素の過剰摂取などです。
  3. 治療方法: 薬物療法、放射性ヨウ素療法、手術、生活習慣の改善などがあり、症状や原因に応じて適切な治療が選ばれます。
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りはスタ運営者の「ぱぱひさ」と申します。総合病院に勤務する現役の理学療法士です。心臓リハビリテーション指導士・呼吸療法認定士を保有しています。がんリハ研修受講済・臨床実習指導者講習会受講済。OSCE(オスキー:客観的評価能力試験)試験官経験あり。心臓リハ・呼吸リハ・ICUリハの分野で働くリハスタッフのためのサイトとなるよう目指して記事を書いていきます。
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